MQL4学習におけるwhile文の使い方(サンプルソースあり)

目次

MQL4におけるwhile文とは

MQL4におけるwhile文は、特定の条件が満たされる限り処理を繰り返し実行するためのループ構造です。以下にwhile文の特徴と使い方を詳しく説明します。

while (条件式) {
    // 繰り返し実行したい処理
}

条件式がtrueである限り、中括弧{}内の処理が繰り返し実行されます

while文の動作

  1. まず条件式が評価されます。
  2. 条件式がtrueの場合、ループ内の処理が実行されます。
  3. ループの最後に達すると、再び条件式が評価されます。
  4. 条件式がfalseになるまで、2-3のステップが繰り返されます

サンプルコード

以下に、while文を使用した簡単なサンプルコードを示します。

int i = 1;
while (i <= 5) {
    Print("メッセージ");
    i++;
}

このコードは「メッセージ」という文字列を5回出力します

注意点

  1. 無限ループに注意: 条件が常にtrueになる場合、ループが永遠に続く可能性があります。
  2. ループ内での変数更新: while文内で条件に使用している変数を更新することが重要です。さもないと、条件が変化せず、ループが終了しない可能性があります
  3. for文との使い分け: 繰り返し回数が明確な場合はfor文を、条件が変動する場合はwhile文を使うとよいでしょう
  4. do-while文: while文の変形として、do-while文もあります。これは条件チェックの前に必ず1回処理を実行します

while文は、特定の条件が満たされるまで処理を繰り返したい場合に非常に有用です。ただし、適切な終了条件を設定し、無限ループを避けることが重要です。

応用編 サンプルコード

MQL4でwhileループを使用して決済処理を行うサンプルコードを以下に示します。このコードは、特定の条件下で全てのオープンポジションを決済します。

void CloseAllPositions()
{
   int totalPositions = OrdersTotal();
   int closedPositions = 0;
   int attempts = 0;
   int maxAttempts = 10; // 最大試行回数

   while (totalPositions > 0 && attempts < maxAttempts) {
      for (int i = OrdersTotal() - 1; i >= 0; i--) {
         if (OrderSelect(i, SELECT_BY_POS, MODE_TRADES)) {
            if (OrderSymbol() == Symbol()) { // 現在のシンボルのポジションのみを対象とする
               bool result = false;
               if (OrderType() == OP_BUY) {
                  result = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), Bid, 3, clrRed);
               } else if (OrderType() == OP_SELL) {
                  result = OrderClose(OrderTicket(), OrderLots(), Ask, 3, clrBlue);
               }

               if (result) {
                  closedPositions++;
                  Print("ポジション ", OrderTicket(), " を決済しました");
               } else {
                  Print("ポジション ", OrderTicket(), " の決済に失敗しました. エラーコード: ", GetLastError());
               }
            }
         }
      }

      totalPositions = OrdersTotal();
      attempts++;
      if (totalPositions > 0) {
         Sleep(1000); // 1秒待機
      }
   }

   if (attempts >= maxAttempts) {
      Print("最大試行回数に達しました。一部のポジションが決済されていない可能性があります。");
   } else {
      Print("全てのポジションを決済しました。決済したポジション数: ", closedPositions);
   }
}

このコードの動作は以下の通りです。

  1. totalPositions変数で現在のオープンポジション数を取得します。
  2. whileループは、オープンポジションがある限り、かつ最大試行回数(maxAttempts)に達するまで続きます。
  3. ループ内では:
    • 全てのオープンポジションを逆順にループします。
    • 各ポジションに対して、現在のシンボルのものかチェックします。
    • ポジションタイプ(買いまたは売り)に応じて適切な決済処理を行います。
    • 決済が成功したらclosedPositionsをインクリメントし、失敗した場合はエラーメッセージを出力します。
  4. 内部ループが終了したら、再度オープンポジション数を確認します。
  5. まだポジションが残っている場合は1秒待機してから再試行します。
  6. 最大試行回数に達した場合、または全てのポジションが決済された場合にループを終了します。

注意点

  1. このコードは現在のシンボルのポジションのみを対象としています。全てのシンボルのポジションを決済したい場合は、OrderSymbol() == Symbol()のチェックを削除してください。
  2. エラー処理: 決済に失敗した場合のエラーハンドリングをより詳細に行うことをお勧めします。
  3. スリッページ: このコードでは3ピップのスリッページを許容しています。必要に応じて調整してください。
  4. 市場の状況: 高ボラティリティ時や流動性の低い時間帯では、決済が難しくなる可能性があります。そのため、最大試行回数を設定しています。
  5. Sleep関数: 過度に頻繁な決済試行を避けるため、Sleep関数を使用しています。これにより、サーバーへの負荷を軽減し、エラーの可能性を減らすことができます。

このコードは基本的な決済ループの例です。実際の運用では、市場の状況やブローカーの制限、特定の取引戦略に応じて適切に調整する必要があります。

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この記事を書いた人

池田 直哉 池田 直哉 メタプロアカデミー創業者・講師

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